「僕の命が、誰かのために存在できるのなら」

ルウ
ドール・キーの「神の子」計画のために連れてこられた少年。

控えめだが、心根が優しく芯の強い性格。困っている人の前を素通りできない。

「神の子」計画とは、「超能力」と呼ばれる不思議な能力を適性のある人間に植え付けて、それを使いこなせるようにさせる実験計画である。ドール・キー国内の研究者の中で最も関心が高まっている。

超能力とは、他の人間の精神に干渉してその人間を思い通りに操るという特徴を持つ。ドール・キーで以前研究されていた「洗脳」技術と比べ効果が高い。しかし、超能力自体が人間には本来備わっていない能力であり、なおかつ実態の詳細が判明していないため、無理な移植に被験者の精神が蝕まれてしまうことが多い。

超能力植え付けの適格者には、子どもが多い。被験者として国内外から大勢の子ども達が集められて、「神の子」候補生として日々実験を繰り返している。ルウもその一人だが、全く超能力を使える兆候が見られない落ちこぼれ候補生であり、いつも他の候補生達からバカにされている。

ルウは超能力の恐ろしさを重く受け止め、その力の有用性を否定している。犠牲になった人々を見て心を痛め、それを問題にもしないフリードに反感の意思を持っている。だが、自分ではどうすることも出来ず、結局候補生として実験を続けることを余儀なくされている。
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